あの人気クリエイターたちが下北沢に集結。「note1周年 イベント」に行ってきた[レポート]山本さほ×星井七億×小川たまか×林葉子×チャーミング井上二郎×加藤貞顕

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テキスト、イラスト、音声など様々な作品を公開したり販売したりできるwebサービスの「note」。
2014年4月にオープンして、今月で1周年だそうで、おめでとうございます!

で、その記念イベントとしてnoteで作品を公開されている有名なクリエイターの方をゲストに呼んだトークイベントが開催されました。開催にいち早く気がついてチケットをとれたので運よく参加することができましたが、増枠されたチケットも完売だったそうですよ。

山本さほ×星井七億×小川たまか×林葉子×チャーミング井上二郎×加藤貞顕 「note1周年イベント」

場所は下北沢駅南口徒歩一分、本屋B&B

山本さほ×星井七億×小川たまか×林葉子×チャーミング井上二郎×加藤貞顕 「note1周年イベント」

初めて訪れましたが、お酒が飲める本屋だとか。

イベントはどんなだったか

チケットは2000円で1ドリンク付き。客席は30名満員で熱気ムンムン。着席してビールを飲みながら待ちます。

前のテーブルには、ゲストクリエイターの皆さんと、noteを運営する株式会社ピースオブケイク代表加藤貞顕さん。

ゲストクリエイターは、小川たまかさん、星井七億さん、山本さほさん、林葉子さん、チャーミング井上二郎さんの5名。いずれもnoteで人気のクリエイターの方々です。

本イベントでは、クリエイターの皆さんの紹介からはじまり、各クリエイターさんの作品やnoteの使い方などについて、話がすすんで行きました。

ちなみに、お笑い芸人であるチャーミング井上二郎さん以外のクリエイターさんは顔出しNGということで、写真とかはほぼありません。(山本さほ先生の素顔が見たい、と期待していた方、ごめんなさい。)

以下、みなさんのお話を聞きながら、しこしことスマホで必死にとったメモを元にご紹介します。時系列はバラバラです。録音したわけでもないので、内容に間違いがあったり、勘違いもあるかもしれませんので、ご容赦くださいね。

小川たまかさん

noteはこちら。

Tamaka Ogawa (ogawatamaka)|note

株式会社プレスラボ取締役。ライター、編集者。

noteに書いたこの記事がめちゃバズったそうです。

今後、フィールドワークとして、「エロ怖い話」をnoteでやっていきたかったそうなのですが、

こちらの記事。

ふざけていたのに、なんだか反響がすごく社会派っぽくなってしまって、なかなかふざけられなくなってしまった、とのことでした。

星井七億さん

noteはこちら。

星井七億 (nanaoku)|note

noteだけでなく、怪文書ブログ?ナナオクプリーズにて、「○◯な桃太郎」シリーズほか抱腹絶倒の文章でズバズバとハートを揺さぶってくるすごい方。

職業は、会社員で、文章を書くのは、土日とか空いてる時間にやってるそうです。

前述の桃太郎のネタでは、こちらがとても有名ですね。なんと矢沢永吉さんの娘さんを通じて、矢沢永吉さんご本人まで文章が届いてしまったんだとか。

それから、七億さん、ご自身の記事は、twitterではとてもウケが良いそうなのですが、facebookでは全然「いいね!」されないそうです。
「いいね!」をすると「嫌なやつだ」と思われる文章?

ただ、facebookでウケない?七億さんの記事もブラック企業のネタを書いたらウケが良かったとか。

以前、七億さんが働いていたのがブラック企業だったそうで、その経験を活かして書いたそうです。

加藤さん、記事に出てくる文章を読んで、「ブラック企業って、こんなこと言われるんですか?」と質問。

七億さん「その会社では直接言われたことばじゃないですが、転職サイトをひらけば、言い回しのネタがたくさん転がっていますよ

とのこと。

また、七億さんは、noteでは通常の投稿以外にも面白い実験をされています。自身のnoteの同人誌を発行すべくクラウドファンディングの真似事をした結果、42,000円ほど集まったそうです。詳しくは記事をご参照をば。

その他、デタラメな食材を買ってきて全部混ぜたらどうなるか、その結果は記事を購入した人しか見えない、とか今後も様々な実験の構想があるようでした。(食材の記事はやらなかったそうです)

そういえば、星井七億さん、先日より、以下の書籍も発売開始されているので張っておきますね。

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もしも矢沢永吉が『桃太郎』を朗読したら

「投げ銭システム」の話

途中で、加藤さんよりnoteの機能の紹介がありました。noteでは有料で作品を買うことができるだけでなく、無料公開している作品でもそのクリエイターを応援したかったら「クリエイターをサポートする」というボタンから送金できる、いわゆる「投げ銭機能」があるそうです。

noteの「投げ銭システム」

実際にクリエイターの皆さんは投げ銭をもらったことがあるのかというと、チャーミング井上二郎さんのみが公表。
これで投げ銭をもらったことがあるそうです。通算100円。だそうですが、とっても嬉しい100円だったとのこと。

この投げ銭機能ですが、支援者はクリエイターに対して140文字までのメッセージを添えて投げ銭でき、クリエイターは管理画面から返事を送ることもできるとか。

投げ銭機能実装にあたり、加藤さんは、自社のインターンでAKBの握手会によく行く女の子に質問したそうです。

「握手会に行くのって、なんで行くの?何が嬉しいの?」

すると、彼女の答えは

「アイドルが私のことを知ってくれるのがうれしい。」

だったそうです。

投げ銭でのメッセージのやりとりは、確かにクリエイターに読者である自分の存在を認識してもらえるのが嬉しい、というのは満たせるのかもしれませんね。つくりたいひとと応援したい人がうまく繋がれる良い仕組み。

山本さほさん

noteはこちら。
山本さほ (sahoobb)|note

昨年、一気に人気に火がついて脱サラ漫画家となって活躍されている、山本さほさん。

ぼくも大ファンなので、生でお会いできて感激!

今回、会場の前方にスクリーンがあって、webサイトなどを映しながらイベントが進行していったのですが

???

イベント開始前に、影絵でキツネとか作ったりして遊んでいる女子が。

「自由な人がいるなあー、あれ、、、もしや。」

そうです。

彼女が山本さほさん。

若干、緊張した感じもありましたが、自身が描くマンガのとおりな感じで、目がキラッキラしたキュートな女性!

会場でイラストを書いた参加者の方も、ぼくと同じくキラキラ感を感じたようです。

山本さほさん、話題は「岡崎に捧ぐ」中心に箇条書きで。

・幼なじみの「岡崎さん」が結婚することを知って「私だけの岡崎さんじゃなくなる;;」とやさぐれてた時に、同じく幼なじみの「杉ちゃん」(DJ:ディスク百合おんさん)が「マンガ描きなよ」と薦めてくれた

・それでもマンガ家になるつもりは、さらさらなくて、なんとなくnoteに載せてた

・それが、突如人気が出て、マンガ家になった。最初、めっちゃくちゃとまどった

・「岡崎に捧ぐ」の舞台の地元の風景は、実際に行って写真とってトレースしてる。学校にも行った。

井上二郎さん「第二のさくらももこ、って何回言われました?国民的マンガになると思ってるんですけど」

山本さほさん「ご、5回くらい・・・?」

会場「えーーーー」

井上二郎さん「もういっかい、もういっかいいきましょう」

山本さほさん「じ、十回くらい・・・いや13回・・・?」

加藤さん助け舟「編集者界隈では、よく言われていたんですよねー。直接はあまりないのかな・・・?」

・第二のさくらももこと言われて?→元々意識していないので本人的には意外。あんな昔からテレビで毎週やってるようなみんなが知っているものだし似ていると言われるのはとても光栄。言い始めたのは、鈴木みそ先生。

・そもそもそんな個人的な思い出話が、こんなに共感を得られるとは思いもしなかった

→加藤さん「深く深く掘って届けようとすると、逆に普遍性を持つことってありますよね」

・今後の「岡崎に捧ぐ」。これから中学生になってオトナになって、なのでそんなに十何巻と続くような作品にはならないと思う。

・「ファミ通」から、会場に花が届いている。「ファミ通は小さい時から憧れの雑誌だったので、連載はながく続けたい」

・岡崎に捧ぐ以外の、長編マンガの構想は?

・「岡崎に捧ぐ」の舞台は、横浜の中の田舎の方。横浜ではなく、関西の方に住んでたことがあって、そのころの話、「岡崎に捧ぐ」よりは、暗い話になるとおもう。一人でボコボコにされて帰ってきたりする

・「岡崎に捧ぐ」もそうだが、そもそもブログで日記みたいに記録を残してたのが大きい、良いネタ帳になってる。

・ネタ帳にしていたブログは、マンガの人気がでたときに「やばい!」と思って、いっきに非公開にした。でも自分では見れるので時々読んでる

・「岡崎に捧ぐ」、が終わったら、「岡崎さん」が絡まない面白い話をネタに書こうと思ってふ。

・昨日は緊張して眠れなかった

・現在、岡崎さんはメガネじゃなくてコンタクト。きゃりーぱみゅぱみゅに似てる

・あれ?実は今日、岡崎さん、会場にいる・・・!?
→呼んだけど、今日は来てない。本人曰く「あの人が岡崎さん!!」ってなると困っちゃう。

岡崎家について

・「岡崎さん」のお母さんは、ほんとうにマンガに出てくる、このまんま。自宅でワイングラス片手に登場。

・連載にあたって、ご挨拶に言ったら例のマンガの感じでててきて「みなさんが岡崎家でたのしんでくれたらいいわ〜」。

・岡崎さんの結婚式で、岡崎さんが両親にあてた手紙で・・・・

「お母さんには、全然育ててもらってないけど」

お母さん、ワイン片手に「おほほほほ」っ笑ってる、そんなマンガの通りの岡崎家。

漫画を描くのが超絶はやい!

twitterで投稿している「ひまつぶしまんが」シリーズ。あれくらいのを1ページ描くのにかかる時間は、わずか10分!

ざざっとこんな話が出ました。現在の連載ももちろん今後の新作も楽しみです!

林葉子さん

noteはこちら。

イカちゃん (まんが) (ikachan)|note

毎日更新される、イカちゃんとクマちゃんの2,3コマまんがの作者。マンガはプロではなく、コンサルとして働きながらマンガを投稿しているそうです。

井上二郎さん「つげ義春を感じますよね、本当に叙情的」

小川たまかさん「毎晩、夜寝る前に読みます、癒される!」

で、このイカちゃんのマンガですが、更新方法にびっくり。

なんとモレスキンのノートに手描きしたのをスキャンしてアップしているそうです。めっちゃアナログ。

なので、基本的には間違ったら破いて捨てると。

井上二郎さん「一筆だから、間違えると捨てざるを得ない、井上雄彦先生方式ですね」

加藤さん「ご本人の、職業がコンサルティングだから、コンサルティングの現場がリアルなんですねー。」

林さん「職場あるあるをかいてるつもりです。普段、オジサンばかりに囲まれて仕事しているから、オジサンは描きやすいんですよねー。逆に、若い女の子を描くのは苦手です」

イカちゃんとクマちゃんは、辛い目にあったことないので、今後はいじめていこうと思っている、とのことでした。

チャーミング井上二郎さん

noteはこちら。

チャーミング井上二郎 (tarent26)|note

お笑いコンビ「チャーミング」の井上二郎さん。

ソニー・ミュージックアーティスツ『NEETプロジェクト』所属。

実はぼくは昨日もブログで紹介したのですが、noteで描いていたマンガが書籍化され発売されています。

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芸人生活

まだ読んだことない方はとりあえず、

この「福岡のやばい父ちゃん」を読みましょう。泣けます。しかも面白いという不思議な感想を持ちます。

普段は、コールセンターで働きながら芸人をされているそうです。一般的に、アルバイトをしながら芸人を続ける、いわゆる「ダブルワーク」をしている芸人さんがほとんどだそうです。

が、今回、書籍化にあたり「コールセンター、お笑い芸人、マンガ原稿」というトリプルワークな状態になって、ものすごく忙しかったそうです。デートに行けないので奥さんがキレたとか笑。
嫁がデートに行かないのですげーきれる。

出版社の担当の方には「パースがとれない・・・」と言うと「人は人に見えればいい、建物は建物に見えればいい。」と本当かどうかわかりませんがすごい担当の方がついたとか。

このあたりの面白エピソード、現在、「芸人生活」の制作秘話がnoteで連載されているのでそちらをどーぞ。

小川たまかさんより、

「マンガ読んだんですけど、エピソードって全部本当ですか?芸人さんってやっぱり盛るんじゃないんですか?」

と質問が。

エピソードは全文本当のことだそうです。

マンガの中に、

「チャーミング」というコンビを組むときに相方の野田さんが、全部さらけ出す覚悟があるか試すために、裸になって「◯○◯を見せろ!」と言われ、そのとおり従った

というのがありますが、それも含めて本当だそうです。

本当に◯◯◯も見せたそうです。すごい。

「チャーミング」のネタについては、ひたすらビンタされまくるネタがおもしろいので

バナナ藩 チャーミング – Google 検索

で検索してください、とのこと。

そして、実はこの井上二郎さんもnoteに投稿し始めたきっかけが、実は山本さほさんとの共通の知人のディスク百合おんさんなんだそうです。noteに強力なクリエイターを二人も送りこむ、プロデュース力・嗅覚はすごいですね。

それから、なんと、お笑い好きの山本さほさんと盛り上がって、コラボすることが決定したそうです。というかこのイベント会場で公言されたので実現することでしょう。

「芸人生活」の中の1話を、山本さほ先生がまるっとリメイクして描き直すんだとか。

会場、大盛り上がり。これは読みたい!

楽しみですねー。

加藤貞顕さん、noteの総括

最後、会場から加藤貞顕さんに、「クリエイターのプラットフォーマーとしての総括を」という質問が。それについての加藤さん。

・今朝、新聞を電車で広げて読んでる人がいて、感動した。昔とは風景が変わったじゃないですか。思わず写メ撮ろうかとおもった、実際には撮らなかったけど。

・クリエイターの方が、「書いて」、「稼いで」、「売って」暮らしていけるようにならないと、おもしろいものが減っていくんじゃないだろうか、という思いがある。

・去年の4月から、noteって誰が使うのか、わからない状態ではじまった。こわかった。

・そんな状態から、みんながつかってくれて、プロの方も生まれてうれしい!

・手塚治虫タッチで漫画を描く、田中圭一先生の話。彼は元からプロなので、今日は呼んでいない。「うつヌケ」という作品、本人が鬱になった経験を書いている、KADOKAWAと組んでいて、本も出る予定。連載媒体を探していて、noteを使ってくれることになった。note内で、めちゃくちゃ売れている。あんまり売れすぎるているから、先生もノリノリで、最初モノクロだった原稿が最近はカラーになった(笑)

平野啓一郎さんの話。「マチネの終わりに」という長編小説を連載。純文学をネット上(note)で広げて本にして売ろうとしている。ハッシュタグ使って、コラボ企画等を実施中。

・クリエイターがよりクリエイティブにものをつくれて、ファンの方に繋げられるプラットフォームを目指す。

みたいな感じだったでしょうかね。関係者とか参加者の方で、おかしなところあったらご指摘ください。

ぼく個人としては、普段、note内外で作品を読んでいるクリエイターのみなさんのお話が聞けたのがすごくよかったです。

そして、山本さほさん、チャーミング井上二郎さんにサインもらったり、お話ができたのがテンションあがりまくりでした。

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もともと、山本さほさんは「岡崎に捧ぐ」きっかけで大好きになって、このブログでも何度もとりあげているおかげか、ご本人に「ねんざブログさんですか!」と認識してもらえていたのが嬉しかったです。ますますファンになっちゃいますね。

これが上のAKBの握手会の話で出てきた「アイドルに知ってもらえるとうれしい」というやつか!

ということで、とっても楽しいイベントでした!チケット争奪が厳しくなりそうな予感ですが、次回もあればぜひまた参加してみたいと思います。

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