ブルマの思い出

たまにはふと思い出した思い出でもつづってみようと思います。

高校に入って中二病をこじらせていたぼくは当時、黒いブリーフしか履かないという変な病にかかってました。

周りの男子はだいたい小学校高学年頃から白ブリーフからトランクスへ移行し、高校生だとトランクス派が多かったのですが、さらにひとりだけ先を行こうとしていたのです。

「黒ブリーフの俺カッコいい」、と。

ということで持っていた下着を全部裏山に捨て、タンスの中の下着は黒ブリーフオンリーです。

たぶん、今は短パンとかになっているとは思いますが当時ぼくの通っていた高校は、体育の授業で女子はブルマでした。

ぼくが黒ブリに夢中になっているときを同じくして、学校内で女子のブルマが盗まれる事件が多発しました。

生徒指導の先生が注意を呼びかけたりしてましたが、犯人は見つかりません。

そこへきて、これですよ黒ブリーフを履いたぼくですよ。

ブルマは紺色でブリーフは黒ですが、体操着にきがえる一瞬をチラっと目撃された場合、盗んだブルマ履いてると間違われるんじゃないだろうか、疑われる。

これは避けたい。でも、履きたい。黒ブリーフ、カッコいい。

ということで体育がある日には家からズボンの下に体操着の短パンを履いてくるという行動をとり、黒ブリーフのある平穏な日々を過していました。

ところがある日、ついうっかり短パンを履いてくるのを忘れてしまったのです。

しかし、授業には出なければいけないのでシャツで黒ブリーフを隠しながらこそこそ着替えました。

が、みられてしまいました。野球部のお調子者Kに。

「あれ、ブルマ履いてね？ブルマ泥棒じゃねーの？www」

おい、さわぐな、おい。

「ちがうわ、ちがうちがう」

堂々と黒ブリーフを見せつければ良かったんでしょうが、テンパって必死になって隠したため、クラスメイトがおもしろがってまわりに集まる。

先生まで出動。これはやばい。

さてどうしたものか。ええい。

「いやこれブルマじゃねーって、ほら、ほらこれ。」

とチラみせしたHanes(ヘインズ)のタグ。

「なんだよ、紛らわしんだよー」

と誤解は解けましたが、しばらく「黒ブリ」と呼ばれるまさに暗黒時代を過ごしました。