前回の帰りに予約をしたのだけれど「上の歯を抜きます」ということしか理解しておらず、親知らずを抜くのか、4番の歯(小臼歯というらしい)を抜くのか、よくわかってないまま病院へ到着。
受付を済ませると、今日の施術に関する同意書を渡され、名前、日付などを記入。術後の過ごし方などを読む。
しばらくして診察室へ移動。
レントゲン写真を見ながら、この4番の歯を左右抜きますと説明を受けた。
「これまで一本も治療の跡がない、きれいな歯ですね」、と褒められる。
そのとおり、永久歯に生え変わって以来、親知らずの抜歯以外では歯医者で治療したことがほとんどないからだ。歯を強く生んでくれた親に感謝。
口を器具で広げ、該当の箇所に麻酔をして、オペが開始された。
まずは右上。抜歯用の器具か何かで、歯をガシッとつかまれているような感覚はあるが、麻酔のせいでよくわからない。しかし、ギシギシ、ミシミシという歯が動く音は骨伝導でかしっかり聞こえてくるので、怖い。
いまやっている右の歯は、なかなか手強いようで、先生がちょっと苦労してるように感じた。力を入れて引っこ抜いてもらっているけれど、上顎の抜歯箇所ではなく、器具が下の顎に当たってそこが痛い。これは口に出して伝えてぶつからないようにやり方を変えてもらった。
基本、処置中は麻酔をして口を開いており、ちゃんと喋れないので、痛い時は左手をあげてくれと言われる。よくあることだ。
が、「痛くないですか?大丈夫ですか?」と聞かれた時には、声を出して返事がしづらい。かろうじて発音したとしても「ふぁい」みたいな返事になってしまう。痛い時に手を上げるのはできるが「大丈夫ですか?」と聞かれたときは、どうしたらよいのか、ちょっと考えた。結果、何か返事を求められた時は、左手でサムズアップすることに。これで良かったのだろうか。
10分くらいかかってようやく右の歯は抜けたようだ。10分くらい、と言ったが、正確に測ってないので体感の時間である。なんだか右の方がスカスカする気がする。舌で触ると、そこにあったはずのものがない。ちゃんと抜けたようだ。痛くはない。ただ、なかなか歯が抜けず緊張した時間が続いたためか、先生よりも手術されているぼくの方がびっちり汗をかいていた。
続けて左の歯を抜いていく。こっちはなんだかあっさり抜けた。先生はこの短時間でぼくの歯や骨のクセみたいなのをつかんだんだろうか。とにかくさくっと抜歯できてよかった。
両方の歯の抜けた箇所にガーゼを押しつけて止血しつつ、これからの過ごし方を聞く。痛みは出ないだろうと思われるが、念の為に痛み止めのロキソニン、感染症など起こさないように抗生物質のサワシリンを処方された。抗生物質は毎食後に飲むらしい。
うがい薬も処方された。これも抜歯創の感染予防のため、明日からつかってくださいとのこと。なお、今日は運動やお風呂での長湯など血行の良くなるようなことはNG、うがいはカサブタができにくくなるので、ほどほどに、とのことだ。食事は普通にとれそうだ。食べにくそうだけど。
受付で治療費を支払う。薬代込みで2,000円程度で驚く。保険適用にしても安すぎないだろうか、と思って調べてみると、今回抜歯した小臼歯は親知らずなどと違い難易度低めなので1本500円程度で抜歯できるようだ。なるほど。
次回の予約をとる。つづけて下の歯を2本抜くのかと思ったが、次回はまず上の歯の矯正装置をとりつけることになるらしい。
顎変形症の手術にに向け、まずは術前矯正というものを進めるっぽい。子供の頃に、骨折でギプスをしてる友達がヒーローのようにカッコよく見えたものだが、矯正具もちょっとそれに近いワクワクがあって楽しみだ。実際に装着したら、食べづらさや歯磨き、装着感で悩まされるかもしれないが、もうそれは仕方ないので楽しんでやろうと思う。
なお、この文章は帰りの電車で書いていたんだけど、気がついたら、抜歯した箇所からでる血でマスクが赤く染まっていた。電車でぼくの立つ目の前の席に座っていた人はたいそう怖かったことだろう。
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