伊集院光「渋谷のスクランブル交差点では、俺の嫌いな現象が起きている」

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TBS JUNK 伊集院光の深夜の馬鹿力

TBSラジオ月曜JUNK「伊集院光 深夜の馬鹿力」、2014年6月16日放送分にて、伊集院光さんが番組のオープニングトークで、日本のワールドカップの盛り上がりについてコメントしていたのが興味深かったので、書き起こしてみました。
なんというかぼく自身もモヤモヤしていたものがなんとなくすっきり。ああ、言葉にするとそういうことかもな、と。


ー以下、放送された内容の書き起こし。

※6/18追記
以下のリンクから、書き起こし内容分の放送がまるっとPodcastで聴けます!
▶︎JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力

まあ、もちろんその、ワールドカップの日本戦もみましたけど。
まあね、スタートとしては落ち込むスタートとなったんだけども。

おれおもうんだけどさあ、サッカー好きな人にききたい、サッカー大好きな人に聞きたい。ね。

「あのスクランブル交差点の連中のことを、サッカー好きな人はどう思ってんの、アレのことを。」

あんね、もうすべてのニュースが奥歯にこう、何かはさまったみたいな、ね。
あのー、奥歯にウンコがはさまったみたいな、感じで、こう、しゃべってますけども。

まあ、奥歯にコガネムシの後ろ足がはさまった、みたいな、って、おまえなに食ってんだよ。

「なんか奥歯にはさまってる!」なんつって。

スーっとやって、

「あ、これコガネムシの後ろ足だ。よく噛まないとなあ」、なんつって。

そのね、でー。「食べた覚えのないコガネムシの色だぞこれは」なんつってね。

「六匹食べたうちの一匹がぁ!?」つってね。

ねー、その、あのー。

どうなんすか、あの。

要はー、やっぱりその日本代表のユニフォームを着ててすげーこう盛り上がってるじゃないですか、ね。

スクランブル交差点、ワーってやってるじゃないですか。

「あそこのことは絶対悪く言えない」みたいな空気が、ぼくはニュースが支配していると思います。

「あそこをゆうと、このニュースもみんなに嫌われちゃう」要するに「日本代表を応援している人をたたくと、嫌われちゃう」みたいな弱腰があると思うんですけど。正直日本代表のサッカー応援している人も、あいつらのことを嫌いであってくれ、とおもうよ俺は。

ね、で、その、わっかんねーけどさ。

ハイタッチする理由は、なん、なんなの?

なんなの?ね。

で、あの、これはね、ちょっとおもうのは、そこまではなんとも、えーっと、否定しがたいから、
あのVTRがある人は観て欲しいんですけど、わーってなってるじゃん。
みんなハイタッチしてたりとかさ、肩車してワッショイワッショイやってるじゃん。

やってるひとを、まぁなんか仲間だと思って撮ってる人もいるでしょ。

で、「今おれは今渋谷のスクランブル交差点にきたけども、なんかバカが騒いでるわ」

とおもって写メを撮ってる人もいるでしょ。

でも、それを引いて今度、さらにもっというと、TVのカメラもいっぱい

「うわぁーほらほら、はじまったぁ!」

って撮ってるじゃん。

それを引いた映像を観ると、全部まとめて、にみえるからね。

全部まとめて「俺の嫌いな現象が起きている」っていうことに、すごいなるわけ。

で、その、テレビの弱腰さと微妙さみたいな。ニュースの弱腰さと微妙さのバランスがすげーなっとおもうのは、そのことを「すごい否定もできねえし」みたいな。要するに、「試合後の渋谷はこんな感じ、でしたよ」、みたいなこというわけ。

で、そうすっとなんとか

「これはたたいていいぞ」

っていうのは、痴漢で逮捕されたやつがいるでしょ。
これはもう「痴漢だから完全にたたいて大丈夫」っていうことで。
で、「この騒ぎに便乗して痴漢をやったやつがいる」っていうところで、たたくはたたく。

だけど、その大騒ぎ自体は「なんかこうたたいたらやべえんじゃねえか」みたいな。
「大騒ぎ自体は否定を一切できねえんじゃねえか」みたいな空気。

そもそも、あのテレビの中途半端なその報道姿勢みたいなやつが、スクランブル交差点を「騒ぐ場所」として認知した感じが、すごい俺あると思うんだよね。

「あそこは日本代表のサッカーの試合の後は、ああなるもんなんです」みたいな。

「あそこにみんな集まりましょう、警察もカメラも万全で待ってます」

くらいの空気に俺なってると思うんだよね。

だけど、

「DJポリスも見に行きましょう!」みたいな。

なんかその「DJケォォォリーも見に行きましょう!」みたいなそういう感じの、ね。

それが、すごい、でてるんじゃないすか。

で、その微妙な「どうしよう、たたきたいけど、なんかこうたたけない、そのなんか一言いいたいけど、いえない」みたいな空気感を僕はスゴく、あの
象徴している感じってのがニュースみてたらあのことをいうじゃん。ね、あのことを、なんかこう、奥歯にもののはさまった感じの。

「あれ、おれなんかこのなんかまた挟まってる、カマキリはよく噛んで食べたけど、ああ、ハリガネムシが、ハリガネムシがはいってるんだ・・・・
カマキリ独特の寄生虫のハリガネムシが入ってる」、っていうあのー、すげーこわいやつが入っている、っていう。
「ハリガネムシに寄生されたカマキリは、なぜか操られるように水辺に行くのです」、でおなじみの。

しってる?ハリガネムシ。

ハリガネムシ、カマキリん中に入ると、寄生虫なんだけど、なんか長い寄生虫なんだけど、カマキリん中ででっかくなるわけ。

でっかくなると「もうこれ以上はカマキリに用はない、自分がしたいことは産卵だけ」なのコイツはね。

そうすっと、カマキリの、脳を、ハリガネムシが操って、カマキリはなんだか分からないんだけど、水辺に行きたくなる。

カマキリ別に水辺に何の用もない奴なのに、あいつ「なんだか、すげー、川のほとりにいきてえなぁ」なんつって。

で、行ったとたんにケツの穴からブリブリブリーってハリガネムシでて、川ん中に入ってって、川でまた増えんの。

こわくない?

ワールドカップどこじゃなくない、もう?

ワールドカップ、おれ、ドログバとハリガネムシと、おなじくらいこわいもん。

いま、急にドログバを投入されるのと、ハリガネムシが俺を支配するのとどっちがこわいか、

うわー、どっちかなぁあああ。

ドログバも一気に支配したもんね。

一気にあの会場、ドログバが潜入しただけで。

まあー、もうどっちだろう、まぁ。

話が完全にどっかいっちゃってるよね。どっかいっちゃってる。

その、えーっと、おもいだした。

その「言いたいけどなんか言うと面倒くさいことに巻き込まれそうだなあ」、みたいなその、弱腰の空気の中、「本音が出てんなこれ」って思ったのは、そのつぎに連続で、そのー、えー、日本がコートジに敗れた、その会場で、日本の応援しにいったサポーターたちが、最後あんなに悔しい負け方をしたのにスタジアムのゴミを拾って帰りました、ってことが各国でいろんなところで賞賛されている、すばらしい、日本は礼儀正しいってね。
あんな、あれだけ悔しい負け方をしたらふてくされて帰ってもおかしくないのに、そういうことができるんだ、ってのを褒められてるってニュース。
もうこれがすげー俺らの心の支えに、俺の心の支えにるニュースだけど、

これに入るときに「いっぽう、・・・」っていうのね。

「いっぽう、・・・」ってすごくない?

ここに「いっぽう、」っていっちゃうことで、ね。

「かたや」っていっちゃうことで、オマエら思ってること今、入ったよね?

っていうあの感じ・・・・なんかね。

もうさ、その辺もちょっとさあ、すごいめんどくさいなあって思うのは、サッカーが好きだってことと野球が好きだってことと、すごく分けるじゃん?ね。
その、「サッカーが好きだと野球が好きじゃない」、とか「野球が好きだとサッカーが好きじゃない」みたいのわけるじゃん?
ほいで、やっぱぼくは全体的に人の好きなことに対して遠慮があるわけ、ちょっと遠慮があって。
少なくとも俺が好きだっていうより、ずっとずっと好きな人がいるジャンルに関しては、「詳しくない」ってことをちゃんと前置きしよう、とか、「ぼくがどちらかというと野球が好きだけど」みたいなことを前置きしようと思って、喋りだすのが俺は礼儀だとおもってる、こういうところにでる礼儀、その自分より深い知識を持ってる人に対する礼儀、だと思ってやってきたけど、それでもなんだかんだでずーっとこうやって、一応、年とってる分だけ、みてきてはいるから。自分のそのサッカーに対する位置がどこかはよくわからないけど、俺なんかその、野球好きだからさ、野球でもそうだけど。
その見方は俺の中にはないから、っていう。

そのおんなじ野球好きだけども、必ずしもおんなじ野球好きの中で、仲間じゃないし。

なんかあのー。ライブ会場で一緒になって歌うたっちゃうひとのなかに、「その歌は一人で聴くやつだから!」みたいなので。

なんかわかんないけど、嫌な感じってあるわけですよ。
おんなじものが大好きでも、それは「おんなじものが好きが故にまったく相容れない人」っているんだけど、おれはその俺の周りのサッカーがすげー好きな奴らは、あのスクランブル交差点の連中のことを全然好きじゃないし、プラスってあるか?あれに。あれがいたら。なんかその辺がもうぜんぜんわかんないんだよね。

のはなしし
のはなしし

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