先日紹介したBenQさんのDLPプロジェクター『HT1070』。こちらに引き続き、BenQさんの新しいホームプロジェクターをお借りして使わせていただきました。
今回は『HT2150ST』という、超短焦点プロジェクターです。
『HT2150ST』ってどんなプロジェクターなの?
『HT2150ST』は、2014年に発売された『W1080ST+』という超短焦点プロジェクターの後継モデルです。
超短焦点プロジェクターってどのくらいの性能かっていうと、この機種は約1.5メートル先に100インチの大きなサイズで投写することができるんだそうです。
ためしに、焦点距離に関して一般的なプロジェクターの『HT1070』と、今回の『HT2150ST』の両方で約1.5mの距離から壁に投写してみました。
いずれも最大サイズで投写してみたのですが、短焦点プロジェクターの『HT2150ST』はさすがに大きく写せますね。1.5mの距離で約100インチということで、我が家の投写スペースである壁の許容を超えるレベルでした(笑)。
ちなみに『HT2150ST』の解像度はフルHD1080p、最大輝度は2,200ルーメンとかなり明るく投写できるプロジェクターです。
ボディはツルッとしたホワイトカラーで、前面のシルバーのプレートが高級感があります。
レンズ部分にはレンズキャップもついています。使わないときにもレンズをしっかり保護できて良いですね。
天面にはレンズを調整する箇所と、メニューボタン群。
レンズの調整は、フォーカスとズームの調整ができるようになっています。プロジェクターを固定したまま画面を上下左右に動かすいわゆる「レンズシフト」機能はないので、スクリーンに対して真正面からの投写が基本となります。
投写角度を調整したい場合は、底面前方にある足を引き出して調整できるようになっています。
音声について、前モデルの『W1080ST+』では1個だったスピーカーは、10W×2のステレオスピーカーに。「CinemaMasterAudio+」というオーディオエンハンサーも搭載してサウンドもパワーアップしています。重低音がズンズンときますね。
背面の入力端子は、HDMIが2系統。黄色のコンポジット入力が1つ、パソコンなどと接続できるD-sub入力が1つ。HDMIのうち1つは、MHL対応なので専用ケーブルをつかってAndroidの画面をかんたんに投影することも可能です。
給電用のUSBポートもあるので、HDMLとUSBを使って「Chromecast」や「Amazon Fire TV」を接続するのにも便利です。
ぼくの場合は、もっぱら「PlayStation4」を接続して使っていました。というのも「nasne」で録画番組やテレビ放送も観られるし、AmazonビデオやYouTubeもかんたんに観られる、もちろんゲームもできるとかなり活躍してくれるんですよね。
プロジェクターと「PlayStation4」の組み合わせ、オススメですよ。
さて、実際に映像を投写する際ですが、角度や距離によっては投写映像が歪んでしまうことがあります。
デフォルトの状態で写したところ、上底が大きな台形型になってしまいました。
台形を補正する機能があるので、かんたんに調整が可能です。ほぼまっすぐな映像になりました。
ソースに合わせた映像調整もかんたん
Game、Game(Bright)、User、Bright、Vivid、Cinemaといったピクチャモードが用意されているのですが、リモコンのボタンでわりと簡単に切り替えられます。観ている映像に合わせたモードや好みで切り替えて楽しむことができますよ。
ちなみにゲームに最適化されたGameモードでは、通常の「Game」と「Game(Bright)」と2種類あり、「Game(Bright)」だと明るい環境でも楽しめるような色合いに調節してくれます。
ぼくは、彩度とコントラストがまるで映画館のようなバランスで調整される「Cinema」モードで、暗い部屋で映画を見るのが好きですね。
もちろん色合いやシャープさなどを個別に調整して好みのものにすることもできます。こだわりたい人は自分で調整してみても良いでしょう。
残像感の少ないDLPプロジェクター
前回の『HT1070』もそうでしたが、この『HT2150ST』も多くの映画館でも採用される、反応速度の速いDLP方式のプロジェクター。そのため、スポーツなどの激しい動きのあるものでも残像感なく楽しむことができます。
ぼくもいくつかゲームを遊んでみましたが、残像感はまったく気にならず、非常にスムーズにプレイすることができました。
また、動きのあるものだけでなく、暗い部分の表現もメリハリがあってかなり良いです。
発売されたばかりの「FINAL FANTASY XV」も『HT2150ST』でも遊んでみたのですが、暗い部分でもつぶれることなく細部までハッキリわかる映像を楽しめました。『HT2150ST』は、「15000:1」という高いコントラスト比で、メリハリのある映像を実現しているんだそうですよ。
『HT1070』と『HT2150ST』との比較
さて、続けざまに2機種のプロジェクターを使わせていただいて、どっちも気に入ってしまって、このまま返したくないくらいなんですが、せっかく同時期に2機種をお借りできたので違いを比べてみたいと思います。
2機種の主要なスペックは以下のような感じです。
HT1070 | HT2150ST | |
---|---|---|
方式 | DLP | DLP |
解像度 | 1080p(1920x 1080) | 1080p (1920 x 1080) |
明るさ | 2000ルーメン | 2200ルーメン |
投写サイズ/最大 | 30 ~ 300インチ | 60~300インチ |
コントラスト | 10000:1 | 15000:1 |
ズーム | 1.3倍 | 1.2倍 |
台形補正 | 縦方向のみ | 縦方向のみ±20° |
スピーカー | スピーカー10W × 1 | チャンバー型スピーカー 10W x 2 |
インターフェイス | Computer in (D-sub 15pin) x1( integrate with component) HDMI x2 (HDMI with MHL2.0 x1, HDMI x 1) MHL x 1(HDMI with MHL2.0) Monitor out No Composite Video in (RCA) x 1 S-Video in No Audio in (Mini Jack) x 1 Audio in (L/R) x1 Audio out (Mini Jack) x 1 Speaker 10Wx1+Maxx USB (Type A) x 1 USB (Type mini B) x 1 ( service only) RS232 (DB-9pin) x 1 IR Receiver x2 (Front and Rear) |
PC (D-Sub) x 1 HDMI x 2 MHL x 1 (Share with HDMI-2) Audio In x 1 Audio Out x 1 Chamber Speaker 10W x 2 USB (Type A) x 1 (5V / 1.5A power supply) USB (Type mini B) x 1 (Service) RS232 x 1 DC 12V Trigger x 1 IR Receiver x 2 (Front & Top) |
サイズ(幅×奥行×高さ) | 346.24 mm (W) x 101.70 mm (H) x 214.81 mm (D) | 380.5 x 121.7 x 277 mm |
重量 | 2.75kg | 3.6 kg |
目に見える違いについてですが、本体サイズは『HT1070』の方が一回りコンパクトです。重量も『HT1070』が2.75kgに対し、『HT2150ST』が3.6kgとちょっとだけ重く、スピーカーが2つあったりレンズキャップがついてきたりという点があります。コントラスト比なども異なりますが、いずれにしても高いコントラスト比で暗い箇所の表現に強そうです。
実際に使用してみて実感する一番の違いは、やはり『HT2150ST』は近距離でより大きな映像を投写できる点ですね。100インチサイズの映像を投写しようとした場合、『HT1070』だと2.5mの距離が必要ですが、『HT2150ST』だと1.5mの距離ですみます。
せまい部屋の場合や動かせない家具の配置などであまりスクリーンとプロジェクターの距離が取れない場合には、短焦点プロジェクターの『HT2150ST』の方が良さそうですね。
また、機能・性能の違いではありませんが、『HT2150ST』には持ち運び用のバッグが同梱されていました。室内での移動だけでなく、知り合いの家に持っていってスポーツ観戦パーティなんかをするのにも良さそうですよね。
家の中のいろんな部屋に移動してプロジェクターを楽しむ、というのであればサイズの面から『HT1070』を選んでも良いですね。もちろん予算面での検討もありますけどね。
ということで
数週間の間、短焦点プロジェクターの『HT2150ST』を試用させていただきました。何気にBenQさんは他社に先駆けて短焦点プロジェクターに取り組んでいて、現在ホームシアター業界での短焦点プロジェクターに関してはシェアNo.1なんだそうです。さすがに良い製品を出してきますよね。
今回の短焦点DLPプロジェクター『HT2150ST』、ですが、もっと詳しく知りたい方はぜひ以下の製品サイトをチェックしてみてくださいね。
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